春の終わる日
 本当に、本当にそのぐらいにしか変化がなくて図書館のバイトを続けても自堕落に家で過ごした日々と変わらないんじゃないかと思った。


 ただ漫然と日々を過ごす場所が家でないだけで。

 ここにいてもただ1日というものが黙って同じ顔をしたまま過ぎていくんじゃないかと思ったんだ。


 そんな日が続いても僕は何も抵抗せずに受け入れて無為に図書館で過ごした。

 そうしている内に夏も終わり、残暑の中にも冷たさが孕み始めた9月の半ば。

 こうやって日々が過ぎて行って1年、2年と過ぎで行くんだろうなぁなんて考え始めた頃、僕はある女の子に出会った。
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