春の終わる日
 出会ったというよりも「ただ見ていた」だけ。



 その女の子は図書館の利用者で『宮川詩織』さん。

 図書館利用カードを見たら僕より3つ年下の子だった。



 彼女が現れるのは午前からお昼過ぎ。

 学校のある時間帯のはずだけど彼女は土日も関係なく毎日図書館に通っていた。

 そして閉館時間の夕方までずっと窓際の見晴らしの良い席で本を読み最後に便せんに数枚の手紙を書いて帰る。
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