春の終わる日
 月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日 



 繰り返しやってくる7日間のサイクルを何度も重ねる。

 日暮れの時間が足早にやって来るようになると窓の外の街路樹は秋色に染まり、暫くするとはらはらと散っていった。


 木の枝に付いているよりも地面に散らばる葉が多くなる頃になると毎日足繁く通っていた彼女は1日おきだったり2日おきに通うようになり、そして師走に入った頃にはあの窓際の席は誰も座らなくなってしまっていた。


 流石に僕も心配したけどきっと寒くなったから億劫になったんだろう、冬が過ぎて暖かい春になればまたあの席に彼女は帰ってくるだろうと自分を納得させた。


 それから暫くは師走の空気に飲まれ僕は知らず知らずの内に図書館の仕事に忙殺されてしまい彼女の事を頭の片隅に追いやったままにしていた。
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