春の終わる日
そして年も明けそろそろ梅の蕾が綻ぶかなぁという頃に一人の女性が図書館にやってきた。
僕の母より少し若いかな、というぐらいの年配の方。落ち着いた中に何か沈んだものが見える表情で僕を呼び止める。
どうやら司書の大垣さんはその女性の事を知っていたようで司書室の奥にある応接室に僕とその女性を通してくれた。
テーブルを挟んで向かい合わせのソファーに座ると大垣さんは僕達に紅茶を出して何も言わずにそのまま応接室を出て行った。
アールグレイの香りが小さな応接室に薄く漂うと向かいに座った女性が何も言わずに白い洋封筒を僕に渡した。
宛名には僕の名前。
裏をめくると柔らかく優しい字で『宮川詩織』と書かれていた。
僕の母より少し若いかな、というぐらいの年配の方。落ち着いた中に何か沈んだものが見える表情で僕を呼び止める。
どうやら司書の大垣さんはその女性の事を知っていたようで司書室の奥にある応接室に僕とその女性を通してくれた。
テーブルを挟んで向かい合わせのソファーに座ると大垣さんは僕達に紅茶を出して何も言わずにそのまま応接室を出て行った。
アールグレイの香りが小さな応接室に薄く漂うと向かいに座った女性が何も言わずに白い洋封筒を僕に渡した。
宛名には僕の名前。
裏をめくると柔らかく優しい字で『宮川詩織』と書かれていた。