先生と私の境界線
そんな会話をしながら私たち4人は始業式会場の第二体育館に行った。
そして自分の座る場所に行って座り、それからもずっと友達と話していた。
すると。

「静かに!!今から始業式をはじめます。」
と教頭が言った。

だんだんみんな、おしゃべりを止めた。
体育館が静かになると校長が舞台に上がり真ん中に来て話をし始めた。
いつも通りわたしは聞いたふりをしながら、頭の中では違うことを考えていた。


"恋ができるかな..."とか
"彼氏ができるかな..."とか恋話ばっかり


校長が話始めてから10分ぐらい時間が経った時だった
「これで話を終わります」
と校長が言い、舞台を降りた。
「えー、次は新人先生紹介です」
と教頭が言うと、校長と新人先生が舞台から上がってきた。
その頃から少しずつみんなざわついてきた。

「どーうしたってまたうざい先生ばっかなんやろうね」
と私は横に座っている友達と話していた。
先生の紹介が始まると私は、どうでもいい顔をしながら話を聞いていた。

「そして私の方からみて左側の先生が、”仲村 大輔"先生です。」
と校長が言うと20代の男の先生が一歩前に出て、礼をしてまた、一歩後ろに下がった。


私はその先生を見た瞬間顔が真面目になった。

"かっこいい...."

出てきた言葉がそれだけだった。

それから違う先生の紹介が始まった。
でも私はそれを無視をして、ずっと仲村先生を見ていた。


初めてだった・・・。
私が一発聞いただけで先生の名前を覚えた。


新人先生紹介が終わってもずっと先生を目で追っていた。

教室に帰るときもずっと先生の顔で頭の中がいっぱいだった。

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