月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



『先手必勝。』


『……くっ…。』


仁は自分の手についたウァルドの血を、ペロリとナメとる


普段は、全然怖くない仁が改めて悪魔だと思い知る表情を浮かべた


ウァルドは腹部を押さえて立ち上がる


傷口は浅いようだが、周囲に散らばる血液が生々しく感じられた


「いまの間に…何が…。」


私がポツリと呟くと、隣りの貴族の女の子が教えてくれた


『最上位悪魔にでもなると、魔法の呪文なんて必要ないのよ。』


「最上位悪魔…?」


『知らないの?
もとは2人とも、Sランクなのよ?』






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