月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



「私が…救う?」


『そう、シルフィアちゃんが救う番。』


バラン様はフッと笑う


『何をためらってるの?』



バラン様の言葉にビクリと身体が震える


『まさか彼女に同情?
自分と気持ちが同じだから、だから恨むに恨みきれないの?』


バラン様が言っている事は図星だった


アイルさんはただウァルドが好きだっただけ


ただ…


その深い胸に残った傷のせいで、今は正気を失ってるだけなの


だから…


私の思考は行き帰りを繰り返す





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