月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
何処まで飛んだのだろう
私の意識は曖昧で、というか意識がある事に驚いたほどだ
段々と仁のスピードが緩んでくる
『ここや。』
仁が地面に着地する
目の前には、不気味な城が立っていた
『どうやら俺は入れへんようやな。』
仁が手を前に翳すとバチリと火花が散った
『俺への予防線はとっくに張ってるってわけか。』
皮肉を込めて仁は笑う
『シルフィアちゃん、残念だけどここから1人で大丈夫か?』
「……うん。」
私は深く頷いた
「闘うわ。」