月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐










数分たって、アイルは目を覚ました



『……………私はまたフラれたのね。』


目を覚まして呟く


「アイル様…。」


『私に…一体何が足らないのかしら?
私の何が悪いのかしら…?
もう…―わからないわ。』


さっきまでの近寄りがたさが消え、今度は包んでやりたいくらい脆くなった少女が目の前にいた


『本当………私って。』

「好きです」



『……………え?』


「私はずっとアイル様が好きでした。
私はずっとお側にいます。」


『あなたは…馬鹿ね。』


心の何かが綻んだ


そんな気がした静かな一夜が過ぎていったのだった…――





< 199 / 391 >

この作品をシェア

pagetop