月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



『ほんまに…ちゃうから。』


仁はふと空を見上げた


その顔には読み取れるものはなく、ただ無心に見上げているだけに見えた


「仁様…?」


私が呼ぶと、仁は何かが弾けたように慌てて笑顔を作る


『あ、ゴメンゴメン!
ついついぼーっとしてもうたわ!』


「大丈夫ですか?」


『そんなんシルフィアちゃんが気にする事やないて、大丈夫。
それに仁様やないで仁でええよ。』


「しかし…。」



私はチラッとウァルドを見る


『好きにするがいい。』


ウァルドはそれだけ呟いてそっぽを向いた






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