月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



パチンと指を慣らすと、目の前の景色は一変し、お城が現われた


「グレネディアってこんな事もできるのね!」


私は感嘆を上げる


『行こっか、シルフィア。』


さっきまでの暗い表情は微塵も見せずに、グレネディアは言った



やっぱりさっきのは見間違いだったのね


私は独りで納得する



お城に一歩足を踏み入れるとそこは、まるで楽園よりも綺麗な聖地だった


すべてが汚れを見せない、まさに例えるなら天使の庭園


吸い込んだ空気さえも、清く、潤しい




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