月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
『だって、これを言ったらウァルドとシルフィアは幸せになるかもしれない。』
グレネディアの言葉に、私は首を傾げる
【ウァルドとシルフィア】
あの悪魔と私が?
『でも、言ったら俺が苦しむ事になる。』
苦虫を噛み潰したかのような表情で、私にか細い声で言った
『結局、俺は逃げてるだけ。
他人の幸せを潰してまで自分の幸せを望んだ愚かな奴なんだ。』
グレネディアの目から涙がこぼれた