月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐


















懐かしい香りがする

花と、草の香り



私はスッと目を開けた


『着いたで。
案外遠くなかったんやな。』


仁がうひょーっと見上げた


そう



ようやくついた


私の母国


グナム王国に


ウァルドはただ、城を一点に見つめていた


緊張しているのだろうか?


しかし、こちらを向いたウァルドの顔に迷いなどはなかった


『シルフィア。
大丈夫。』





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