月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



何も語ろうとしない仁を見て、ウァルドは仁の手な握られた手紙を奪う


『あっ…。』


仁はようやく気付いたようで、慌てて奪おうとするがウァルドが読む方が早かった



『…婚約?』


不意にウァルドが呟いたその言葉に、仁の肩はビクリと反応する


『…っ。』


『しかも相手…これ…。』


ウァルドの眉間にも皺がよる


『な…なんでよりによって、婚約相手があの椿なんや…。』


椿…?


私は聞き覚えのない名前に首を傾げる


すると何処からか、高らかな笑い声が響いてきた



< 342 / 391 >

この作品をシェア

pagetop