月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
『これだけの傷で痛みを感じる。
人間とは弱い生き物なのだよ。』
ウァルドは今度は傷口を舌で這う
『儚いからこそ、この世で最も甘い血液が巡るのだ。
そう、人間は最高の餌…。』
私はだんだんとウァルドが触れる感触に見入っていき、息が荒くなる
『人間は俺の手ですぐ壊れる。
どんなに心を強く持っても、我が与える快感には勝てない。』
ウァルドの言葉が私の中に響く
『俺は壊れぬ。
汚れた人間などで絶対に…。』
ギラリと異邦の光を宿した瞳が光る