月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
残った部屋には静けさが宿る
しかしながら、誰かの足音がその静けさを打ち消した
「…ウァルド。」
『………。』
私はポツリとウァルドの名前を呼んだが、ウァルドは無言のまま私の側に来た
「…ウァルド?」
首を傾げると、ふいに唇に温かいものがゆっくりと触れた
『シルフィア…。』
ウァルドは私を包み込むように抱き締める
『仮でも…仮の彼女でも…、おまえがあいつの側にいるのが耐えられなかった。』
私の耳元で、ポツリポツリと震える声で言葉を選びながらウァルドは言った