月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐





ダンスの音が途絶えた

私は2曲目が終わったことを知る


後1曲しかないが、この様子では間に合いそうにない


「…ごめんなさいっ…。」


涙で顔をぐちゃぐちゃにし、喉から漏れるように呟いた


「私…私っ…。」



仁の、いつも助けてくれている仁の役にようやくたてると思ったのに


失敗ばかり


「ごめん…ごめんね…、仁。」


扉を叩いても、虚しく音が響くだけ


無力な自分に腹が立つ





< 380 / 391 >

この作品をシェア

pagetop