月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



その時だった



カチャリと音がして、扉が勢いよく開かれる



『シルフィア…!!!』


「ウァルド…。」


私は驚きで表情がついていけず、半ば放心状態でウァルドを見上げた


『良かった…無事で。
…!
この傷…!』


硝子の破片で頬を切り、私の頬には所々血が滲んでいた


「あ…これは、窓から出ようとして。」


そう言うと、ウァルドは硝子が散らばった窓の方を見る


『……。』


「ウァルド、助けてくれてありがとう。
私…行かなきゃ。」


『すまなかった。』


「え…?」



『俺のせいで…、こんな危険な目に合わせてしまって。』





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