月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
「でも…―。」
私は目を逸らす
『シルフィア。』
彼が凛とした声を響き渡らせた
私は無意識のうちに首のボタンに手をかけ、外そうとしていた
私がボタンを外し終えると、ウァルドがとても面白そうに笑う
『シルフィア―人間はな…。』
ウァルドが首筋に顔を埋めて私に語る
『快感に忠実な玩具なのだ。
そして、玩具には拒否権は与えられない。
なぜなら―…玩具なのだから。』
ブツリと二つの銀色に輝く牙が、私の皮膚を貫いていく
鈍い痛みが首もとを這う