月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



あ…気持ちい…


刹那、グラリと体が崩れそうになる


『おっ…と、貧血か…。
これっぽっちの吸血で貧血を起こすとは…結構軟弱なやっだな。』


ウァルドはハァと溜め息をつき、口元についた血液を袖でふく



白いブラウスには、私の血が花のように染みて跡を作った



『…汚れた…な。』


ウァルドはそれを冷ややかに見つめ、自分の爪でビリッと破いた



『汚れた…これはもう不要だ。』


さっきまで自分が飲み下していた私の血を、憎しみの目で睨んでいた



『誰も…好きで悪魔になどなっていない。
なぜ俺は……。』



か細くウァルドの声が聞こえた気がした






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