月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



「仁…?」


『俺、なにを失うよりもシルフィアちゃんを悲しませる方が嫌やねん…。
やけ…そんな顔せんで?』


仁が切なそうに目を細め、笑う



『ね…、首見せてくれへん?』


「あ…。」



仁が私の首元に顔を埋める


「やめて…!」



『平気。
俺はウァルドちゃうから。
血は…飲まへんよ。
怪我を直すだけ。』



そのまま冷たい舌を傷口に触れさせる



「痛っ…。」


痛かったけど、ウァルドがいたぶるように触れる感覚とは違い、優しく大切に血を舐めとった



「ん…っ。」


『甘い声…。
可愛いなぁ…シルフィアちゃんは。』






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