月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
『ご機嫌麗しくと存じ上げるぞ。
グナム王国の王よ。』
「あぁ…ウァルド様…。」
『我が嫁にくるのはそこにいる娘か。
ほう、なかなかの美貌。』
「お気に召していただけましたか…。
娘のシルフィアでございます。」
『…シルフィア。』
彼が吐息混りに私の名を呼んだ
それだけなのに
今にも崩れ落ちそうな感覚に襲われる
な…に…?
『良い名だ。
我が名はゲオルグ・ファナ・ウァルド。
面をあげろ。』
彼の声で、勝手に顔が上がっていく