月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



『ご機嫌麗しくと存じ上げるぞ。
グナム王国の王よ。』


「あぁ…ウァルド様…。」


『我が嫁にくるのはそこにいる娘か。
ほう、なかなかの美貌。』

「お気に召していただけましたか…。
娘のシルフィアでございます。」


『…シルフィア。』


彼が吐息混りに私の名を呼んだ


それだけなのに


今にも崩れ落ちそうな感覚に襲われる



な…に…?


『良い名だ。
我が名はゲオルグ・ファナ・ウァルド。
面をあげろ。』


彼の声で、勝手に顔が上がっていく






< 6 / 391 >

この作品をシェア

pagetop