月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐
『―………。』
『なぁに、ウァルド。
盗み聞きなんてらしくないし。』
仁は隙間の開いたドアに目を向ける
そこには、眉間にシワを寄せたウァルドがいた
『…うるさい…、盗み聞きなんて…。』
くっとウァルドが口を噤む
『………ウァルド、手。』
仁が苦々しく見つめている先を見ると、ウァルドの手が血に染まっていた
「ウァルド…!?」
『黙れ!
シルフィア。
玩具の分際で俺に構うな!!』
ギュッとウァルドが手に力をこめると、そこからまた血が溢れ出す
ウァルドの血…?