月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



「し…死ぬかと思った…。」


『かんにんな。
ちょーっと調子にのりすぎたわ。』


「………。」


『ほないこか。』


放心状態の私をさほど気にも停めず、仁は先を急ぐ



「あ…。」


恐怖のせいで見てはなかったから、気付かなかったけどここ…綺麗


魔界は朝、昼、夜関係なく、暗いのでまるで都会の夜の町並みみたいだった



「…綺麗。」


『やろ?
俺のお気に入りの町やねん。
まるで傷心の俺を包み込んで癒してくれるみたいやで。』


「傷心って…何処な辺が…。」


『すべて♪』



仁はそう言って前に向き直った


その時切なげな表情が横切ったのは、私の気のせい…?






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