月光狂想曲‐悪魔の花嫁‐



『………。
ほな、一回帰ろうか。』


仁はそう言ってその表情を隠すように、私に背を向ける


「仁…。
ありがと。」


『いや…俺の不注意やし…。』


「でもどうしてあの女の人達といたのに私のとこに来てくれたの…?」



『っ…。』


仁が言葉を一度詰まらせる


『忘れられへんのや…。』


「え…?」



『どんな女と寝たって、あんたの事が頭から離れへんのや…!』



仁が顔を赤くしながら、私に吐き捨てるように言う






< 98 / 391 >

この作品をシェア

pagetop