魔王に忠義を
第三章
いつまでもライストの警備態勢は解かれる事がない。
当然と言えば当然か。
今やVIPとも言えるナハト・リアリーの暗殺を企てた男が、周辺に潜んでいるかもしれないとわかれば、捕縛するまでその警戒を緩める筈もない。
「あのドーラの女の子がナハト・リアリーだったのね。じゃあⅥ番と戦ってたあの男の子って、あの火の玉アキラ?」
飽きもせず俺と一緒にいたアイシャが、木陰から様子を窺いながら言った。
「ああ…」
当分ほとぼりは冷めそうにない。
いっそここで仮眠でもとろうかとさえ思う。
俺は木の幹にもたれかかり、目を閉じて腕を組んだ。
秘密結社は俺を見捨てた。
これからの身の振り方も考えなければならない。
俺を庇う者は既にこの世に存在しない。
にもかかわらず、俺はお尋ね者となってしまった。
ライストと言えばこの世界の中心都市といっても過言ではない。
その中心都市の往来での、要人の暗殺未遂。
罪という言い方をするなら、これ程の大罪はあるまい。
何の庇護もないまま、どこまで逃げ延びられるものなのか。
考えれば考えるほど、頭が痛くなった。
当然と言えば当然か。
今やVIPとも言えるナハト・リアリーの暗殺を企てた男が、周辺に潜んでいるかもしれないとわかれば、捕縛するまでその警戒を緩める筈もない。
「あのドーラの女の子がナハト・リアリーだったのね。じゃあⅥ番と戦ってたあの男の子って、あの火の玉アキラ?」
飽きもせず俺と一緒にいたアイシャが、木陰から様子を窺いながら言った。
「ああ…」
当分ほとぼりは冷めそうにない。
いっそここで仮眠でもとろうかとさえ思う。
俺は木の幹にもたれかかり、目を閉じて腕を組んだ。
秘密結社は俺を見捨てた。
これからの身の振り方も考えなければならない。
俺を庇う者は既にこの世に存在しない。
にもかかわらず、俺はお尋ね者となってしまった。
ライストと言えばこの世界の中心都市といっても過言ではない。
その中心都市の往来での、要人の暗殺未遂。
罪という言い方をするなら、これ程の大罪はあるまい。
何の庇護もないまま、どこまで逃げ延びられるものなのか。
考えれば考えるほど、頭が痛くなった。