ツンデレラ
『綺はさぁ…好きな人とかいないの??』
すると、一瞬綺の顔が強張った。
『…綺??』
『…あ、ごめん。ボーッとしてた。好きな人はいないよ。夕輝は??』
また笑顔で話しはじめる綺。でも、その笑顔に違和感を感じずにはいられなかった。でも、そこには触れないでって綺の顔が言ってて…あたしは聞くことが出来なかったんだ。
『あたし??あたしはー…好きな人はいないけど…気になる人ならいるょ。』
あたしはちょっと照れ臭くて、声が段々小さくなっていった。
『まぢッッ!?誰?!この学校にいんの??』
綺の笑顔がいつもの笑顔に戻り、あたしは安心した。
『うん、佐々木渓矢くん…なんか性格良さそうじゃん??』
それを聞いた綺の目が一瞬光った。
『渓矢??あたし同中だったから、夕輝のこと紹介してあげようか??』
『えっ…いいよ、まだ好きになったわけじゃないし…』
『遠慮すんなって!!待っててね。』
そう言い残すと綺は走っていってしまった。