ツンデレラ
それから少し経って、あたしが待ちくたびれた頃に綺は帰ってきた。
『あーやー…遅いよー…眠くなってきたし…。』
ホント眠い…なんか今日暖かいし…入学式寝そうだな…。
『ごめんごめん。渓矢女子にも男子にも囲まれててさぁ…あいつ誰からでも好かれる性格してるから…』
謝る綺を、あたしはうとうとしながら見ていた。
『そうそう、渓矢ね、なんか夕輝のこと知ってたよ。』
その一言を聞いてあたしの目はいっきに覚めた。
え??あたし渓矢くんに会ったことあんの??覚えてないんだけど…
あたしが不思議そうな顔をしていると、綺はそれに気が付いて、あたしと渓矢くんがいつ会っていたのかを教えてくれた。
『んーとね、中学んとき、夕輝サッカー部のマネージャーしてたでしょ??』
あぁ…なんかの部活に入んなきゃいけなくてめんどくさかったけどやってたなぁ…
『んで、渓矢もサッカー部だったんだけど、ある日試合で相手の選手と頭ぶつかって倒れちゃったんだって。でも、うちの中学マネージャーとかいなくてさ、変わりに夕輝に面倒見てもらったんだって。』
うそぉッッ!?あんときのことははっきり覚えてるけど、まさか渓矢くんだったなんて…
あんときは潤平が前見ないで走ってたら、相手チームの子にぶつかったんだよね…
やっぱ潤平馬鹿だゎ