ツンデレラ
それからふと渓矢くんのことを見ると、ばっちり目が合ってしまった。
あたしは照れ臭くて、思わず目を反らしてしまったんだけど、渓矢くんは近づいてきた。
『…えっと…三谷さん??その節は本当にお世話になりました。』
渓矢くんのさわやかな笑顔にあたしの心臓はいとも簡単にぶち抜かれた。
『いやいや、まさかあのときの人が渓矢くんだったなんて…あ、そーだ!!潤平は…』
そのとき、渓矢くんの手にあたしの手は包まれた。
『試合中の事故なんてよくあることだし…全然気にしてないから。』
…かっこいい〜…
つか手、手、手ッッ!!
心臓破裂するってッッ!!
『夕輝って呼んでい??』
もう茹でだこのようになっていたあたしは、ただ頷くことしか出来なかった。
『じゃあ、夕輝も俺のこと、渓矢って呼んでね♪』
渓矢はそう言い残すと、去って行った。
『やっぱかっこいいわ…』
あたしがボソッと声に出すと、綺は顔をしかめた。