もう一度…

第二章 時の流れ

今は午後四時を回っただろうか。
会社はラストスパートと言わんばかりに、慌ただしく動いている。


「えっ!今日、合コン!?早く言ってよ!コテとか持ってきてないよ!!」


「ごめん。ごめん。営業課の田中さんが急に誘ってきたからさぁ〜。」


佐藤達の話し声が耳に入ってくる。


一昨日、隼人から誘われたときの衝撃がまだ、鮮明に残っていた。


今から思えば…あれは…デートの誘いなのだろう。
つまり、私を女性として見ているの?


突然不安感が襲ってきた。

「私、最後に美容室行ったのいつだったっけ?」

普段は見ない手鏡を覗き込んでため息を一つ。

無造作に伸ばした髪を触りまた一つ。

「はぁー。」


お洒落のやり方まで忘れかけている自分に直面した。


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