もう一度…
「初めまして。武田さんを担当させていただく鈴木です。」


「よろしくお願いします。」

年は三十程度だろうか。少し長い髪を茶色に染めているが、落ち着いた大人の雰囲気だ。
マリンスポーツでもしているのだろう。五月だというのに褐色に日焼けをしている。


「どんな感じにするか、決めていますか?」


「エッと。大人っぽくしてください!」


言った後でシマッタと思う。私はどう見ても三十過ぎのオバサンだ…それを今さら大人っぽくしてくださいって。


「じゃあまずはカラーから入りましょう。そして軽くパーマをかけますね。」


なんて良い人だろう。流石はプロだ。


「はい!」


私は白髪染めではなく、カラーと言ってくれたのにも気分が良くなり、張り切って鈴木さんについていった。



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