恋するgirl☆☆~②~



俺はカップをテーブルに置くと、そのまま真子を抱き寄せた。


自分でも痛く感じるくらい、力強く抱きしめた。


Yシャツ越しに感じる真子の温もりで、俺はまたひとつ、胸に刺さっていたとげが溶けて無くなった気がした。


しばらくの間、そのままの状態でお互い、何も話さなかった。



熱かったコーヒーが冷めてしまった頃、俺は静かに真子から身体を離した。



「凉さん、私…何も知らなくて…なのに一方的にあんな風に言っちゃって…ごめんなさい。」


「いや、あの時は俺がわるかったから…真子は、悪くない。」



悲しい表情のまま俺を見つめた真子の、あの時の表情は、俺がさせてしまった。


真子は悪くなかった。


ただ、俺を心配していただけ。


それを俺が突き放してしまった。



< 226 / 281 >

この作品をシェア

pagetop