雨々模様




「綾の気持ちを知りたい」


いつの間にか、名前で呼ばれても気にしなかった。


「だって、小西は彼女がいるんでしょ」


「そんな輩はいない。そんな言い方していると・・・」


そっと綾を抱き寄せる。


「俺のこと好きなんだと、錯覚を覚えるぞ」


耳元でささやかれ、どきっとした。


「言ってほしい、綾の気持ちを」


「わ、私は・・・小西のこと」


小さく、すき。


と言った。


その瞬間、小西の顔を華やいだ。



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