弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
『で?一体、親父さんと理事長室で何があったの?』
晧覬は本題に戻した
「もういいよ!俺の思ってる事なんて凄くちっぽけな事だからさ!」
空を観て言う俺に…
『ちゃんと話せよ!昴らしくないぞ!』
晧覬も空を見上げ言った。
「夢物語だよ!俺が過去ずっと想い続けていた人が帰って来るんだよ!」
空を見上げたまま言うと…
『蓮さん達が帰って来るのか…昴…お前大丈夫なのか?』
返事を返して来た晧覬。
「俺さ…ここを辞め様と思ってるんだ…親父との約束が破棄に成りそうな感じなんだよ…」
そう言うと…
『あの契約か…。あれを行使するのは余りな…。瑠璃が何て言うか…』
晧覬がそう言った。
「でもあの契約書には約束を破ったり破棄した場合、俺はここを辞めて親子の縁を切るって事に成ってるんだぞ!」
俺がそう言うと…
『瑠璃はそんな事を望んで無いよ…』
晧覬が言った。
瑠璃ちゃん…
俺が悩んでる時とか落ち込んでる時とか凹んでる時とかにいつも温かくそして優しく包み込む様に俺を観ていてくれる瑠璃ちゃん…
瑠璃ちゃんが泣くかも知れないな…
俺は空を見上げたまま思った。