弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
『なぁ~昴?少しは冷静に考えてみてもいいんじゃ無いの?瑠璃も俺達も親父さん達と決裂する事なんて望んで無いんだからさ…』
晧覬は俺にそう言った。
「でもな…。俺が今副院長を兼任してるじゃ無いか…俺は元々、病院を継ぐつもりなんか無かったんだよ?それをお前達が説得するから…俺は条件付きで承諾したんじゃ無いか…」
俺は晧覬を観て言った。
『それはそう何だけどさ…』
晧覬も俺の方を向き言うと…
『俺は瑠璃の悲しい顔や泣いてる顔が観たく無いからだしみんなが幸せに成って欲しいから色んな事を考えてるんだよ…みんなで暮らし始めて尚更その気持ちが強く成ったんだよ…みんなが幸せに…。そして仲良く賑やかに楽しく暮らせる方法を…』
晧覬は真剣な顔を俺に向けて言った。
「俺だってみんなの幸せを一番に考えてるよ…。でも…今回だけは本当にダメみたいなんだ…あいつの姿や顔を観ると無性に色んな想いが湧き上がって来て冷静になんて成れないんだよ…。あいつは俺より兄貴の蓮を選んだんだから…」
俺がまた空を観て言うと…
『今のお前の想い人は瑠璃なんだろう?じゃ蓮さん達の事は吹っ切らないとダメじゃ無いのか?』
晧覬が言った。