弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
「車で行くに決まってんだろう?電車に乗って行く方が疲れるじゃ無いか?晧覬はあんな満員電車に乗りたいのかよ?」
昴はそう言った。
『確かにそうだけど時間的に混んでるラッシュ時間のピークは超えてるんだぞ?電車の方が良く無いか?』
俺は昴にそう言うと
「お前、今日、何曜日か?把握してる?今日は日曜日でみんな休みの日だよ?電車は平日より混んでる決まってるだろうが?」
昴はそう言った。
今日は日曜日?
国民の休日じゃ無いか!
俺は思わず曜日の感覚も日にちの感覚も既に無く成っていたんだ…
昴の車に乗り込むと
「あの麻生瑠璃ちゃんは四十九日に出席するのかな?」
昴はそう言うとエンジンをかけ車を発進させた。
昴のその問い掛けに何も返事をしなかった俺…
瑠璃があんな状態で四十九日の法要に来れる訳がない…
自殺未遂を何度も図りそして達哉の元へ行かせて!と泣き喚いてる瑠璃が達哉の四十九日の法要に来れる筈が無いと…
「晧覬?また考え事をしているのか?」
昴に名を呼ばれ我に返った。
『いや。何も無いし大丈夫だから…』
俺は慌てて昴に返事をした。