弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
あんな状態の瑠璃が達哉の四十九日に出席出来る訳がない…
それに…
俺は瑠璃に覚えて貰えてない…
ただの通りすがりの人としてしか…
ボ~っと車内から流れる景色を観ていた俺に…
「なぁ~晧覬?お前さ水くさいんだよ…自分で何でも解決しょう!って一人で悩んで苦しんで心を痛めて…俺って言う存在はそんなに頼りに成らないのか?」
昴は車を運転しながら俺に言った。
『えっ?あっ?いや違うよ!』
俺は咄嗟に返事をした。
「じゃ達哉の四十九日の法要が終わったらちゃんと俺に話してくれるよな?」
昴はそう言った。
家の中に散らばるあの紙切れの事を昴が気にしているのが凄く解った。
昴の俺に対する労りの気持ちや心配する気持ちは痛い程、俺には理解出来た。
でも…
昴に全てを話していいのか?
関係ない昴に…
俺は返事を返せずにいると…
「だから!お前は一人で何でも背負い込み過ぎるんだよ!何の為に俺がお前の側に居るんだ?」
昴が苛ついてるのが言葉の端々で伺えた
『解ったよ…』
俺は昴に全てを話す決断をした。
『達哉の法要が終わったら…ちゃんと昴に話をするよ…』
俺は昴にそう返事を返した。