弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
「あぁ…。解ったよ晧覬がちゃんと話をしてくれるまで俺はもう何も言わないから…」
昴はそう返事をした
車内に流れる昴お気に入り曲MDだけが静かに流れていた。
車は目的地に到着すると…
【晧覬…。昴君…。来てくれたんだね。どうも有り難う。】
親父が俺と昴に挨拶をされた。
「いえ…。こちらこそ…部外者の僕を呼んでくれて…本当に恐縮です。」
昴は親父にそう挨拶を返した。
【晧覬?顔色が良く無いけど?貴方、大丈夫なの?】
お袋が俺にそう言って来た。
『俺の事より自分達の事を心配したらどうなんだよ?』
そう言い放った俺に
「晧覬!親父やお袋さんにそんな物の言い方をするんじゃ無い!」
昴が怒って言った。
【桐生さん…いいんですよ…】
お袋は昴にそう言った。
本当に親父とお袋の姿は目に余る位、痩せていき俺は両親までこのまま亡くしてしまうのか?と思う位に両親はげっそり痩せ細ってしまっていた。
「おじさん。おばさん。晧覬。そろそろ時間だから中に入った方がいいんじゃ無いんですか?」
昴がそう言ったので腕時計で時間を確認してお寺の中に入った。