弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
「お前さ…。俺の事をそんなに頼りない奴だと思ってんのかよ?」
昴はそう言うと続けて…
「晧覬?お前さ俺に迷惑が掛かるとか思うなよ?俺はお前が苦しんでる姿を観たく無いんだよ…。それに少しでもお前のその苦しみや辛さを俺は共有したいと思ってるんだからさ…お前一人で何でも背負い込んで辛い思いをするなよ!」
昴は俺に向かって言った。
「俺は何があってもお前の味方だし晧覬お前に何か?あれば俺は直ぐに駆け付けて必ず助けてやる!だから一人で苦しむな…悩むな…辛い思いをするな…」
昴は真剣な顔をして俺に言った。
「俺はいつでもお前の味方で側にいる。それに晧覬お前達哉が亡くなってから一度も涙を流して無いだろう?我慢する事なんか無いんだよ…辛い時、悲しい時は泣いていいんだよ…我慢する事なんて無いんだよ…」
昴はそう言った。
泣きたくても…
泣けなかった俺…
達哉を捜せずに死なせてしまった事に後悔して…
自分に腹が立って…
俺は達哉と一緒に生活をしていたのに達哉の苦しみや苦悩を解ってやれ無かった事に…
達哉がどれだけ悩み苦しんだのか?を考えると…
俺は泣けなかったんだ…