弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
だからってな…
このクソ忙しいのにクライアントをまだ持てと言うのかよ?
まったく…
オーナーときたら…
俺は溜め息を吐いた
〈後藤先生?溜め息なんか吐いてどうしたんですか?〉
小野が俺に言った。
『いやな…。いくらオーナー同士仲がいいからって普通クライアントの数を考えてだな…』
俺がそう言うと…
【チーン!】
18階に着いたと言う音が鳴った。
『もういいよ!小野行くぞ!』
扉が開いたので小野にそう言って先にエレベーターを出た。
《こんにちは。》
18階のホールに出た俺達に声を掛けて来た。
『はぁ~?』
俺は思わず声が出てしまった。
《こんにちは。本日こちらに来られたご用件は?》
受付に座ってる女が言った。
何なんだ?
この事務所は?
弁護士事務所じゃ無いのかよ?
俺はそう思った。
〈あっ!済みません私共は白鷺法律事務所から来ました後藤と小野と言います。今日はこちらに共同の案件の会議がありまして寄せて頂きました。〉
小野が俺の代わりに慌てて言うと…
《はい。お伺いしております。担当をお呼びしますのでしばらくお待ち頂けますか?》
受付の女はそう言うと受話器を取り誰かに電話をし始めた。