弁護士シリーズ作品短編集『格好いい奴等』
〈そうですか…。こちらの事務所に継続と言う形を取るんですか…〉
小野はそう言うと考え始めた。
そして…
〈後藤弁護士と僕だけがこちらの事務所に移籍と言う形に成るんですか?他の先生方は?〉
小野がそう聞いた。
【他の先生達も各々違う事務所に移籍する事に成りますね。琢磨から言われたのは後藤弁護士と小野弁護士の二人だけだったのでね…】
白鷺の親父はそう答えた。
『小野?俺達に拒否権はねぇ~って事なんだよ!だから必然的に再来月からここの事務所にお世話に成るしかねぇ~んだよ!』
俺はそう言った。
〈その様ですね…〉
小野も話の流れが掴め納得したのか?そう返事を返した。
参ったな…
よりによって事務所が閉鎖するって…
【琢磨が後、余命短かしって言う事を知ってるかね?】
白鷺の親父がまた驚く様な発言をした。
〈えっ!?余命いくばって?〉
小野が驚いた顔をした。
俺はオーナーが癌でもう手術も出来ないって言う事は知っていた。
ただ…
混乱を避ける為に隠してた話だったからな…
小野が驚くのは無理も無い話なんだけどもな…
俺は思った。