短編置き場
「これ、最後に俺たちで作った凶おみくじです。これは主任にあげようって」

手渡されたおみくじを開くと、墨で色濃く凶の一文字が書かれていた。

「あんまりうれしくねーな」みんなで笑った。

 帰り、みんなと別れ一人になる。冬のつめたい星空の下で一人。

「今が一番悪い凶なら、後はあがっていくだけじゃないか」

凶おみくじを引いてしまった人への常套句を自分に言い聞かせ、家路をいそいだ


    おわり
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