アビリク
「お。今日は見事に晴れたなー!」

校庭を覗くと、桜が満開だった。自然と心が弾む。

「ふふっ。そうね。」

ふと、隣から女性の声がした。

「お、蘭華(ランカ)先生じゃないっすか。」

声の主に俺の心はさらに弾む。学校のアイドル的存在である保健室の先生だ。

「秋草くんも今、お昼かしら?」

「はい!つか、名前覚えてくれたんすね。」

「ふふっ。だって、金髪の生徒なんて秋草くんぐらいでしょ?」

蘭華先生は長い黒髪を耳にかけながら柔らかく微笑む。

やっぱ、学校1の美人と言われるだけあるなぁ。笑顔が眩しい!

俺のテンションは最高潮に達しようとしていた。先生は再び口を開く。

「実はね、秋草くんのことずっと待ってたの。一緒にお昼いいかしら?」

…なんですとっ!?
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