アビリク
「貴方は、アビリクなの。」

「はい?」

「「……。」」

…空気が固まるとはまさにこの事を言うのか。
短い沈黙の後、先生は小さなため息をついた。

「…やっぱり最初から説明しないといけないわよね。ごめんなさい。」

もしかして…。

俺は不安になり、思い切って聞いてみた。

「えっと…もしかして俺、病気とか?」

「いいえ、違うわ。そうねぇ…簡単に言うと、特殊変異ってとこかしら。」

「え…特殊変異!?」

予想外の返答に思わず声を上げてしまった。

特殊変異って…んな馬鹿な。

しかし、先生の表情は真剣そのものだ。

「ええ。秋草くん、苛々した時に静電気が起こったり、雷が鳴ったりしなかった?」

「……は?」

訳が分からない。俺は完璧に馬鹿にされてる…。

「そんなの、知りませんよ。」
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