アビリク
ない。

「あれ?」

公園に着くと、チカチカ瞬く街灯以外、そこはシン..と静まり返っていた。
学校で仕事でも長引いてるのか?

「焦って損した…。」

俺はベンチに座り、ガックリと肩を落とした。

──タッ、タッ、タッ、タッ…

しばらくすると、何処からか慌ただしい足音が聞こえてきた。

先生か?

立ち上がり、足音がする方を見つめる。が、暗やみでよく見えない…。

目を凝らし、待っていると、たちまち俺の口からため息が漏れた。
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