アビリク
「はっ、はっ、はっ…!」

足音の正体は、小柄な少女だった。

何だ…違うのかよ。

少女は短髪で、ぶかぶかのパーカーを来て必死に走っている。

…様子がおかしい。

すれ違う際、少女が泣いていることに気付いた。

「お、おい…。」

思わず声をかけてしまった。少女は振り向き、ハッとした顔で

「君は…。」

とだけ呟き、去ってしまった。

それにしても…
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