アビリク
「声が聞こえるってことは…君もアビリクなんですね。」

俺は驚いた。

君も…?じゃあ、

「じゃあ、えっと…芽音さんも?」

「あ、火音(ヒノン)です。滝川 火音。さっきのは嘘。僕らもアビリクです。ちなみに、」

火音は一歩、暗闇の方へ下がる。

「?」






再び姿を現したのは、あの少女だった。

「!?」

「えっと…私が芽音だよ。君は?」

「…秋草、海斗。」

「あ、やっぱり海斗くんだったんだ!よろしくね。」

やっぱり…?

「ああ…よろしく。」

そして、火音の声が脳内に響く。

─まあ、手っ取り早く言うと、これが僕らの能力っていうか、能力の副作用…。─

「副作用?」

「知らないの?能力を得ると同時に、それなりの代償が必要になるんだよ。ちなみに私の能力は“癒し”。」

─僕は“剣”だ。─

「ちょ、ストップ!頭がパンクしそうなんだけど!」
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