アビリク
俺は頭を抱えた。

一気に訳わからなくなってきた…。え、え?能力?代償?

芽音が心配そうに俺の顔を覗く。ふと、背後に気配を感じた。

「ご免なさいね、遅刻して。」

聞き覚えのある声。

「蘭華先せ…!」

俺は振り向き、言葉を失った。
先生はフワフワと宙に浮いていた。

まさか…。

「遅かったね、蘭華さん。」

芽音が親しそうに先生に近づいた。

「ええ。仕事が長引いちゃってね。あ、秋草くんもごめんなさいね。」

「や。ってか、先生も…」

「あら、言ってなかったかしら?私もアビリクよ。」

えぇぇぇ!?
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