アビリク
『……。』

──ゾクッ

「…!」

そして、突如寒気に襲われた。

これは…視線?

後ろに振り向いてみたが、誰もいない。

…気のせいか?

「どうした?」

康志はウキウキで目を輝かせたまま、俺の顔を覗き込む。

「や、何でもない…。」

頭を抱えていると、担任が教室にはいってきた。

「ほらー、席につけー!」

生徒達はその声を合図にそれぞれの席に着いく。

1時間目は数学だ…。

「めんどくせー!」

「こら、秋草うるさいぞ。」

やべ、声に出ちった…。
教室にどっと笑いがあふれる。

「すいませーん。」
< 6 / 54 >

この作品をシェア

pagetop