Doll〜双子の唄〜
・・・というもうずいぶん昔のお話さ。』
『おばあさま、だからマリア様の前に人形がいるの?』
『えぇそうよ。さぁ、もう遅いから早く寝ましょう』
『はぁい。おやすみなさい、おばあさま。』
『…おやすみ。いい夢が見れるといいね。』
部屋に戻り少し厚着をして小さなランプを持ち教会に向かった。
そしてマリア様の前でうたをうたう。
『おやすみ。おやすみ。マリア様。
おやすみ。おやすみ。かわいい人形さん。
おやすみ。おやすみ。いい夢が見れますように…』
老婆は眠るように静かにマリア様の前で人形に見守られながら息を引き取った。